20111229


<11月3日 弘前1日目~5>

おやつを食べておなかが落ち着いたので元気に歩き出す。
藤田記念公園から少し歩いたところにこちらも前川國男設計の弘前市役所。
でも祝日でお休みだったので外からぐるっと見て「ほほう」とか「ふむふむ」とか分かったふうにうなずきながら怪しく窓を覗いたりしておりました。つかまるぜ。



深い庇と煉瓦タイルの使い方が素敵。こうやって古くなってもかっこいい建物って新しく建っている最近の建物でもありうるだろうか。少しでもそういう建物が増えるように小さい力でも少しずつ心がけていきたいものだ。。と思う。


秋冬の旅行はどうしても日没との戦いという側面を含んでいる。午後4時すぎにもなるとだんだん空が暗くなり、足取りもあわただしくなる。
弘前の観光案内には必ずでてくる旧弘前市立図書館。
ここは見ておかないと駄目でしょう、と閉館ギリギリに滑り込み。

平面プランは印象よりもずっとシンプルで、あれ、こんなもんかな?という印象も。建物の大きさのわりに部屋割が細かくてそれぞれの部屋がこじんまりしていたからだと思う。
でも、使われている素材はしっかりしていていいな~と思った。


こういう古い建物をみて歩くのが好きで、いろいろと見ていると、床の板張りに使われている木に注目してしまう。今ふつうに建てられている建物の床は、木のフローリングといってもだいたいは合板の表面に薄く削った木が接着されているものがほとんど。無垢の木を使ったフローリングは好きな人がわざわざ選ぶ物であって単価も高いしメンテナンスはかかるし隙間があいてくるし割れることもあるし、とその良さの反面、リスク前提で選ぶものとされている。
残念だな~と思うのは、そういう風にリスクを分かっていて選ばれている無垢のフローリングも施工のときに下地に接着貼りされてしまうところ。「あばれる」「そる」「すく」なんていうデメリットとされていることを、接着&釘打ちで押さえ込んでいるんだよね。接着してしまうと将来的にたとえば住み替えや建替えがあってもキレイに解体できないから、次の住まいに再利用するのが難しい。
いい色に焼けて、住み手の歴史がしみこんで味わいの増した床板を、また次の住まいでも床に使ってあげたら、それはとても素敵なことなのに。

だから私がもし無垢のフローリングを選ぶことになったら、厚い材料を接着材は使わずに釘だけで貼るのだ。ただの板でもいいよ。傷ついても汚れてもいいよ。あばれても割れてもいいよ。そうやって一緒に年をとっていきたいと思う。


そのとなりにある旧東奥義塾外人教師館。
こういう建物がちゃんと中に入って見学できるっていうのが弘前のいいところです。
しかも無料。
だいたい古い街に行っても、中までは公開してなかったり、入場料が必要だったりが多いもんな。
それは弘前市が偉いんだろう。民間にまかせると、そうはいかないし、見せ方ももっとけばけばしく観光客に媚びた雰囲気になると思う。ゆるキャラとか・・・。
どうかこの路線のままでいてほしい。

ここをでると外は真っ暗。
充実の街歩きはいちおう終了。

でも街歩き途中のポスターで「JAZZライブwith津軽三味線」というのを見つけて、
場所を調べると近くだったので、急遽それを見に行くことに。
旅先でフラリとJAZZライブに行く。どこのオシャレ夫婦か!

でもでも期待の津軽三味線が入ったJAZZはちょっと拍子抜け。
一曲だけのゲスト演奏で、津軽三味線用のオリジナル曲なんだけど、
ピアノもウッドベースもサックスもドラムも大御所津軽三味線に遠慮したりされたり、ってかんじ。
もっと両者じゃんじゃかやってほしかった・・・。

うれしかったのはサックスの人がすご~く重厚で素敵な演奏だったことと、
ボーカルの若い女の子が予想以上に声が良くて上手だったこと。

どこにだって収穫すべきものはあるのだ。

JAZZライブ終了後、その近くのフレンチビストロ(ル・コショネ)でワイン飲んでちょこちょこお料理頼んで本日の締めくくり。あー充実だ。

弘前という街は一日歩いてこれだけ回れるっていうのがすばらしい。
(万歩計は22000歩だけど!)
弘前公園を中心にして見所がギュッと集まっているので歩いて回るにはちょうどいいし、
街の層が厚い。
観光地なのに、ごちゃごちゃとおみやげ屋さんがならぶこともなく、地元の人の日常の中におじゃましているかんじ。ああ、小樽にも見習ってほしい。。

さー、明日は十和田市現代美術館だ~!





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